自然農のお米作り2年目スタート
山で暮らしていると春〜夏は忙しい
いなか暮しの知恵や経験をつめばつむ程
やれることが増えてくる
それだけ山の恵みが多いので有り難いことだけど
欲張って色々手を出し始めると
やることに追われてくる
そんな日常の一つで始めたお米作り
軽い気持ちで
狭い範囲ならできるかなと思ったが
やるとなると理想だけは高く持ち
「自然農でやりたい」
となった
去年は川口由一さんのところへ勉強に行ったりと
自然農のお米作りを実践してみた
結果
去年の収穫はわずかばかりだった
はじめから上手くいくことはないよね〜
といっても収穫が少なすぎた
お米の生長を観察しながら
周りの田んぼと比べて原因を探っていた
思い当たる一番の原因は田んぼに水がたまらなかったからだった
いくら水をいれてもウチの田んぼは水が溜まらなかった
本来なら苗一本から何本にも分けつするはずの稲が
ほとんど分けつせずそのまま稲刈りの時期を迎えた
しかも僕たちがやったのは川口さんに習って
一本の苗で植える方法だから
一本だけに実ったお米の収穫
そりゃ収穫少ないですよね
言われている通りやったつもりだったけど
こんなにも水が溜まらないもんなんだなぁ
周りの田んぼと比べると
草ぼうぼうで
不耕起でやってるから畑みたいな田んぼだった
ん〜
水さえ溜まれば
今年は水を絶対溜める田んぼにするぞ と
意気込んで冬から畦作り 水路作りを始めた
春田植え直前になり
去年の倍以上ある畦と水路を作りしっかり畦塗りをして
水を溜めてみようとしたが
これがまた溜まらなかった
やっぱり
田んぼの土を田植え前にこねる
「田起こし」や 「代かき」 は
意味があってやってるんだなぁ
と当たり前のお米作りの方法を素人が学んだ一年だった
でもなんで川口さんの田んぼは水が溜まり
長年の草の亡骸であんなにも沼のようになっているんだろう
僕たちが目指していたのはまさにあの沼のような田んぼだったはず
今のところ
土や土地の作り方が地域で全く違うからだと推測している
川口さんの田んぼは奈良の平野にある田んぼで畦も太くしっかりしているし
周りに高低差がないので地形も安定している
きっと土質も違うだろう
一方で僕が住む集落は山間部の小さな田んぼ
隣の田んぼとは全て高さが違う
イワユル棚田のような作りなので
水が側面の岩の隙間や下へとピャーピャー抜けているのだ
田起こし代かきは雑草を抑える為や
土を整形するためにもやるみたいだが
ここら辺の地形では
水が抜けない為に不可欠な方法なんだと一年やってみてわかった
「山間部の土地・棚田のようなところでは不耕起栽培で田んぼが作れないよ」
実は地元のおじさんたちにも言われていたことだったが
僕はそれでも不耕起栽培をやりたかったから最後まであきらめなかった
今年も畦を太くしてしっかり塗って横から抜けるのを抑えれば
水が溜まるのではと思って挑戦したが
やっぱり下に水が抜けるみたいで断念した
やっぱり土地の力にはかなわない
地盤改良をして底を粘土質の土を入れて側面をコンクリートで固めればできなくなはいだろうけど
そこまでする不耕起栽培にワクワクしない
それならば土地に合わせて耕して作る方がいい
と切り替えて
田をたたいた(田起こし、代かきをした)
去年水が入らなかった田んぼは固くなり少し耕しただけではなかなか水が溜まらなかったけど
何度か耕すことによってなんとか普通の田んぼのように水が溜まるようになった
これでやっとスタート地点に立てそうだ
(つづく)