よくみる

よくみることを よーくみると よくみえる

はじめての自然農のお米作り:田植え

梅雨に入って直ぐ6月末に自然農の田植えをした

自然農の田んぼは雑草も生えてるし水もそんなに入れないから見た目が周りの田んぼと違う

へんなことをやってるな〜と気になっている地域の人達から「何をやりようが?」と声をかけられる

色々説明して「そんなやり方でお米ができるんやなぁ」と半信半疑だが
「どうなるか楽しみやなぁ」と激励も受ける

仕事で地域と関わることをしているけど
これだけ地域の人から積極的に声をかけられることは珍しいので
みんなお米作りが好きで関心あることがよく分かる
山の集落のおんちゃんおばちゃんはみんなお米作りが関心あるみたいだ

お米作りは僕と地域の人達が繋がれる1つの接点になっていて嬉しい

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僕らのアナログな田植えに必要な準備物としてはこんなかんじ

【自然農の田植え準備物】
・40センチ間隔で印をつけた紐(紐の長さは田んぼの短辺の最長部より長いくらいの長さは必要)
・30〜40センチ間隔で印をつけた棒(棒の長さは目印5つ分くらい)
・苗(少し余分なくらいは欲しい)
・おやつ お弁当 十分な飲み物(みんなで無理なく休み休み手植えする農作業には必須)
・片手で扱う移植ゴテ 手鍬(水をあまり入れないから一般の田んぼより固いので植える時にあった方が良い)

通常 稲と稲の間隔は20センチ前後でやっている人が多い

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いまではほぼ機械で植えるのできちんと揃っていてよくみる田んぼの風景はピシッっとそろっている

通常均等間隔に植えるのは除草機を入れたり 稲の生育に必要な幅を均等に取るためらしい

僕らは川口由一さんの自然農の田んぼのやり方を学んでいる
そのやり方では草を2回に分けて刈るが 根っこから雑草を取る除草はしない
むしろ稲の成長に大きな障害がない草は”生やして”虫が稲ではなく その雑草を食べてもらえるようにする
だから一般的な根っこから除草する道具を入れたりしないので あまり厳密に稲が一直線になってなくてもいい
川口さんのやり方では一本植え40センチ間隔(通常は二、三本を20センチ間隔)で稲を植え育てていくそうなので
僕らはその目安となる紐と棒を作りそれを目安に植えていく

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そんなぼくらの田んぼは不揃いである意味自然の状態に近い

自然農法の田んぼをやってみると
収穫量や作業効率からすると機械を使う慣行農法のお米作りよりずっと手間ひまがかかる
スーパーなんかで売っているお米の価格をみると
このやり方ではとてもそんな金額では売れないというのがよく分かる

逆に価格重視や見た目重視で行くと今の慣行農法のお米作りになるのもよく分かる
でないと 農家さんはそれで生活できない
だから安いお米を買う人は多少薬を使っていることは当たり前だと思って購入し
購入することでその社会を自分たちで作っていることに氣づいているほうがよい

少しでも有機農や自然農で作るものを食べる社会にしたいのであれば
そういう穀物や野菜を作っている農家さんが作っている方法を評価し
少々高くても購入することで応援しないと有機農や自然農は社会に広がっていかない

僕は分からないときは人の意見を聞くのもいいけど まずは体験してみたらいいと思う

できればどれだけのお米をつくるのにどれだけの手間ひまがかかり
それをいくらで売らないと採算がとれないということろまで経験してみる
慣行農法で安い穀物や野菜を購入したい人は奇麗な物を作る代償としてどういう薬が使われているか
身体で体感しないと分からない
体験的に比べることで自分たちの食べている物の正当な評価が自分の感覚でできるようになる

でも頭で考えなくても
お米作りの作業そのものが楽しいし 気持ちいい
それを体験するだけで考え方が随分変わる
自分たちの食べるお米を少しでも自分たちで作ってみようという人が増えるかもしれない
あるいはそういう作り方をしている人達を応援したくなるだろうし 
世の中が変な方向に進んでいると その変化を肌で感じる
そういうところから社会も少しずつ変わっていく

自分で物作りを一からやると世の中の色んなことが見えてくる

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