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春の山菜:イタドリ

あまりメジャーな山菜ではないけど この地域でよく食べられる山菜

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ここでは イタドリ と呼ばれていて 地域によっては イタンポ スカンポ なんて呼ばれていたりもするらしい
根元から折るとポンっといい音が鳴るからそれが名前の語源かもしれない

子どもの頃は塩を付けて食べるということを 父親から教わった
道ばたにたくさん生えていたので その場で採って食べられるのが面白くて食べていたが
酸っぱくてとてもたくさん食べられるような味ではない

生まれた海の近くの地域からは離れて この山の中に引っ越して4年経った
ここでは海沿いよりもこのイタドリをよく食べられていて春になるとおばちゃん達は山にせっせと採りにいく
そのおばちゃんたちが作るイタドリ料理はとても美味しい
しっかり下処理をすると サクサク美味しく 塩漬けにして保存すると一年中食べられる この地域の代表料理になっている

春になるとおばちゃんたちと一緒にイタドリを下処理して、長期保存する習慣にも少し慣れてきた

僕がこの地域の食材の調理方法で分からない時はいつも近所のひでみさんに教わる
ひでみさん流ではイタドリはすぐ食べる場合と長期保存する場合で処理の仕方が少し違う

その調理法は以下の通り



【下処理】
●直ぐ食べる時

1葉が開いていない、短く太ったイタドリを取る
2一日陰干し(直射日光は当てない)
3皮をむく
4熱湯をかける(色が変わるくらいを目安に20秒程)
5熱を冷ます(この時熱をひかずに水にさらすと酸味がぬけない)
6水に半日さらす(酸味がほどよくぬけるまで)

温めるとイタドリの皮が剥きやすくなるから干すらしい
中にはコタツの中に入れている人もいる
温めすぎたり直射日光に当てると色が変色し 柔らかくなるので その塩梅が大切みたいだ

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皮をむく時おばちゃんたちは 決してピーラーを使わない
みんな大抵手でぴゅーっと奇麗に剥いていく 中には剥きにくいものもあるが それらも刃物を使いさっさっと剥いていく 
僕も真似してやってみるがおばちゃんたちみたいにきれいに剥けないので今でも剥きにくいものはピーラーに頼る


●冷凍保存版
1葉が開いていない、短く太ったイタドリを取る
2一日天日干し
3皮をむく
4食べやすい長さにカットする
5たっぷりの塩とともに冷凍で保存する
6食べる前に半日水にさらし、塩と灰汁をとる

長期保存するときは塩にまぶす 塩の分量はみんなしっかり決めているわけではないみたいだが
だいたい僕はイタドリの 1/4〜1/3くらいの量にまぶす
イタドリはそのままの大きさだ中が空洞で場所もとるので少し塩をふった後は軽く重りを置いて水分を出して小さくした方が保存しやすい
水分が出てから全体の塩の量の20%くらいを最後にまぶして冷凍庫に入れる
(塩を多く入れると常温保存もできる)

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【調理】
●炒め物
1オリーブオイル、かごま油でイタドリをいためる
2鰹節を入れ炒める
3砂糖を適量いれる
4醤油、お好みでダシを入れてサッといためる
5ごまを最後にいれてかんせい
※イタドリの歯ごたえを残すように調理することがポイント

調理方法は炒め物が多いのでこれが代表的な味付け

長期保存する処理の仕方では歯ごたえは落ちる
春先に出た時に直ぐ食べる処理の仕方で食べるイタドリは歯ごたえもあり食感もより美味しい