よくみる

よくみることを よーくみると よくみえる

春のおさんぽ

今年の桜は咲いている期間が長い

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家からも山の桜や下の大家さんの桜が満開に見えて気持ちがいいが
桜があまりにも咲き弾けているから春のお散歩に出かけた
草花が芽吹きたくなる時期は人も同じように散歩したくなるのかもしれない

車を少し走らせると川沿い植えられた桜が「今のわたしをみて」と言わんばかりに話しかけているみたいだ
この瞬間に美しさを爆発させる桜は瞬間の美しさを教えてくれる

この時期の桜はアイドルのようだ
そんな桜をみているとなんだか微笑ましく 嬉しくなる
花見が他の花でなくて桜の下でやることが多いのはそんな「桜を見ようじゃないか」という人と「今のわたしをみて」という桜の要望が一致してはじまった文化だと思う

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もっと春の声を聴きたいとおもい
車を走らせそのまま少し離れた渓谷まで行った
この時期の山の声は至るとこから色んな声が聞こえる
よーく澄まして聴いてみないと見逃してしまうが、耳を澄ませれば色々なところからさわさわと声が聴こえて来る

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ここは国立公園として整備されているが人もあまり来ないし 足場もいいのでおさんぽするのには最高な場所だ

歩きはじめはしとしとと雨が降っていたが歩いていれば止むだろうというおおよその勘で歩き始めた
渓谷は雨のおかげでよけいに澄んでいて空気が気持ちがいい

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湿気が多いこの場所には近くの山でも特に苔やシダが多く 家の周りではお目にかからない生き物達の声
数千年、数万年かけて浸食されて作られたであろう滑らかな岩肌に水がさーさーさーさーと流れる音
ぽたぽたとあちらこちらから落ちる雨水が伝っている音

本当に美しい

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歩いていると雨も上がり
薄明かりが森に差し込む

これだけの演出は人が創りたくても創れない


自然はなんの気負いもなくただただあるだけで これを続けている
ただそれだけなのに体験すると言葉にできないほど心が震えるような感動があり
しくしくたんたんと何万年もの月日を変わらず生きている森に 崇敬の念が生まれる

桜と渓谷 対極の美がどちらも美しい